Furano
Sustainable Drama

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INTERVIEW

富良野広域連合 環境衛生センター
所長兼業務係長 三浦 由也

-こちらの環境衛生センターがどのような施設なのかを教えていただけますでしょうか?

富良野生活圏(富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村)1市3町1村のし尿・浄化槽汚泥と生ごみを受入し、適正処理しています。
 
施設は水処理設備と堆肥化設備があります。
水処理設備ではし尿・浄化槽汚泥を微生物によって処理し汚泥とキレイな水に分けます。キレイな水は川へ放流、汚泥は堆肥化設備へ運び処理します。  
堆肥化設備では生ごみを受け入れ、固形と水分に分け、水分は水処理施設でし尿・浄化槽汚泥と一緒に処理し、残った固形物と水処理設備からでた汚泥、水分を調整するバークを混ぜ合わせ、微生物の働きで発酵させ堆肥を生産しています。

ですので、2つの設備が合わさった汚泥再生処理施設ということになります。

堆肥化設備は高速堆肥化処理方式で、生ごみ搬入後約2週間で堆肥することができます。
こういった施設は全国的にもあまり例がありません。また、すぐ近くに国道や野菜の直売所もあるので悪臭が外に漏れない工夫もされています。

-全国的にもあまり例がないということは取り組みや施設に対する視察も多いのでしょうか?

そうですね。施設ができた当初は年間1,500人程、最近はだいぶ減ってはいるもののコロナ前で7〜800人程の方が来られていました。

学校関係者も市内の小・中学生が学習プログラムの一環で毎年こちらに来ていますし、札幌の高校生が修学旅行か校外学習かのタイミングに合わせて施設見学に来ることもありました。

-教育の場ともなっているんですね。ちなみに生ごみの分別で今まで変なものが混じっていたことはありますでしょうか?

ありましたね。
生ごみの中にでっかい漬物石が入っていたことがあって、それはもう破砕機は壊れるでしょうみたいな感じですよね。笑
他にもステンレスが破砕機に入って止まってしまうことはよくあります。金属類であれば磁選機で取れるんですが、ステンレスはくっつかないのでそのまま入ってしまうんです。

-こういったトラブルがないように是非分別はしっかりとやって頂きたいところですね。ちなみに堆肥はいつから作られるようになったのでしょうか?

堆肥化は富良野市としては先にコンポストで取り組んでいました。
以前はリサイクルセンターの隣に堆肥化設備があって、平成14年まではそこでコンポスト化していました。
環境衛生センターで生ごみを受入ることになったので、そのままこちらへ移転したかたちになります。

-堆肥はどのような活用をされているのでしょうか?

個人販売と農家さんへの販売をしています。
基本的にはJA富良野農協でとりまとめてもらって、春と秋の必要な分を搬出しています。
リピーターの農家さんには農協を通さず、直接こちらに連絡頂き購入されている方もいますね。
あとは中学校と小学校にも販売をして、畑や花壇用に活用して頂いています。

ただ堆肥は「受入した生ごみを適正処理した副産物」とした位置づけですので、量的に希望に添えない場合もあります。

因みに、衛生センターの堆肥は農林水産大臣に登録していて、堆肥の正式名称は「有機入り汚泥肥料1」と言います。

-農家さんから堆肥についてどのような感想の声があるのでしょうか?

使っていただいている農家さんからは「本当にいいんですよね」とか「堆肥がもっとほしいです」という話をよく聞きます。

味の変化に関するデータはとったことはありませんが、堆肥そのものついては過去東京農大に堆肥の分析をしてもらいました。
その際に生ごみを原料とする堆肥で問題視される塩分含有量は平均値、重金属についても基準値を大きく下回り農業利用上で問題になることがないデータが出ています。

そう考えると、安心して使用いただける良質の堆肥は農家さんの役に立っていると思います。