Furano
Sustainable Drama

市民、観光客と共創る世界に誇れる
持続可能な地域づくりの先進地へ

INTERVIEW

富良野市環境課
課長 高橋 秀文

-リサイクルセンターについて簡単にご説明頂いてもよろしいでしょうか?

固形燃料ごみ、枝草、大型のごみ・電気ごみの処理施設になります。
その中でも固形燃料ごみの施設が一番大きいです。
あとは新聞や雑誌、段ボール、蛍光管、乾電池などの一時保管場所としても運営しています。

-全てのごみがここに集められているということでしょうか?

富良野市は広域でごみ処理に取り組んでいるので、全てのごみがリサイクルセンターに集められているわけではありません。

生ごみは市内の別の場所にある環境衛生センターへ。プラスチック、ペットボトル、空きビンなどは中富良野町にある資源回収センターで集めてます。
リサイクルセンターへは市内全体の約半分のごみが集まっているイメージです。

-半分ものごみが集まっているんですね。
高橋課長はいつからリサイクルセンターにおられるのでしょうか?

平成18年からになります。
以前はプラスチックの分別が今と違っていて、固形燃料ごみは今よりも少ない量でした。

リサイクルセンターは延べ15年程ですが、ごみの収集や本庁の管理業務などを入れると20年以上ごみの関係の業務に携わっています。たぶん市役所の中でも現役世代では一番長くごみの部署にいる人間だと思います。笑

-まさにごみのスペシャリストですね!
作られた固形燃料はどこで使用されるのでしょうか?

スペシャリストなのかどうかは何とも言えませんが詳しいとは思っています笑

固形燃料については昭和63年ごろは市内公共施設の石炭代替え燃料として活用していました。ですが当時のボイラー性能があまり良くなく、平成13年で一度使用を辞め道内の製紙工場に売却をしていました。
その後、平成20年ごろから札幌の熱供給会社と取引が始まり、現在でも一番大きな取引先として関係が継続されています。
ですが販売当初とんとんだった収支が、運搬費が売値を上まわる状況になりました。
そこから「市内で作ったエネルギーを市内で使う」という判断に至り、平成30年から事業化し、改めて市内での利活用に取り組んでいます。

-固形燃料を製造し、札幌の企業へ販売、使用されていることは珍しい事例なのでしょうか?

固形燃料の生産をしている自治体自体が少ないのと、消費までできているのは全国的に見ても数少ない成功例だと言われています。

-成功例だと言われているということは注目を浴び、市外からも視察に来られたりするのでしょうか?

コロナ前であれば年間400人ほどが視察に来られていました。
「焼却炉に建替えるのにも莫大な費用がかかる。まずは富良野市の事例を参考にしよう。」ということで多くの自治体の方がお見えになっていました。

コロナ後は視察は減りましたが、市内の小学生がメインで年間150人ほど施設に訪れてくれています。

-小学生は授業の一環で来るのでしょうか?

4年生が総合学習の一環でリサイクルセンターと生ごみ処理施設の環境衛生センターを見学しに来てくれます。
小さいころからリサイクルの知識を深める取り組みがあり、昔から続いているからこそ分別もきちんとしてくれていると思っています。

実際に固形燃料に適さないものは手選別や磁選機で取り除いていますが総量の1%程度です。

-最後に高橋課長のごみ分別に対する想いを教えて頂けないでしょうか?

市内で一番多いのが固形燃料ごみですが、この名称が分別理解の妨げになっているかもしれないと思っています。問い合わせでも「燃えるごみ?」と言われることもあります。
固形燃料ごみから燃料を作り、それを地域のエネルギーとして活用する仕組みができ、認知されれば分別もさらに良くなると思います。
そうすれば観光客の方にも富良野市はごみをただ燃やしているのではなく、エネルギーを作り、有効活用していることがPRでき、滞在中のごみ分別の意識も変わってくるのではないかと思っています。